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悩んだ時には

私たちが色々と悩むのは、“より良く生きたい”と意識・無意識の双方が切望するから。しかし「良い生き方」に絶対的な正解はありません。それゆえ時に自分の不運や愚かさを嘆いたり、周りのせいにしたり、ひどく落ち込んだりします。

すべての悩みは、対人関係の悩みでもある

考えよう

悩みの種類は星の数ほどありますが、その根っこを突き詰めていくと、バリエーションはそれほど多くないのかもしれません。日本でも「嫌われる勇気」がベストセラーになり広く知られるようになったアドラー心理学は、「すべての悩みは、対人関係の悩みである」といいます。カウンセリング場面でも、苦悩の根底にあるものの多くが「あの人の期待に応えたいのに、うまくいかない」「相手が自分のことを理解してくれない」というように、対人関係にまつわることのように感じます。

そして悩みを深める要因の一つが、無意識のうちに行ってしまう“比較”でしょう。人は「自分自身をはっきりさせたい」という欲求を持っているので、比較は自分を深く知るための有益な心の働きと言えます。しかし情報の多い現代社会では、比較に囚われ過ぎて、生き辛さやストレスを増幅させてしまいがちです。


比較で得られる幸せは、長続きしない

国税庁が毎年発表している「民間給与実態統計調査」(いわゆる日本人の平均年収)を見て、自分の収入と比較したことはありませんか?自分の年収が平均を上回っていればホッとしたり、下回っていたら落ち込んだり… 「もっと高収入なら幸せなのになぁ」そう感じる人もいるでしょう。確かに収入が高いほど、贅沢な生活を送ることが可能です。しかしノーベル経済学賞を受賞したカーネマンの研究によると、年収$75,000までは感情的幸福は年収に比例しますが、それを超えると感情的幸福と年収に相関はないそうです。日本人対象の調査でも同様の結果が出ており、近年の様々な研究により、地位財には飽和値があり地位財による幸福は長続きしないのに対し、非地位財による幸福は長続きすることがわかりました。

※ 地位財とは所得や社会的地位、物的財(家や車など)のように、周囲との比較により満足が得られるもの。これに対して非地位財とは健康や自主性、自由、愛情など“他人が持っているかどうかに関係なく”幸せが得られるものです。

悩んだ時には

モヤモヤ悩んでいる時はちょっと立ち止まって、自分自身に尋ねてみましょう。

悩みの根っこは対人関係ではないか?

当てはまる場合は、悩んでいる自分を認めた上で「自分にできること」と「相手にしかできないこと」を分けて考えましょう。相手の感情や行動はコントロールできません。しかし対人関係で悩んでいる人の多くが「相手にしかできないこと」を何とかしようと奮闘し、疲弊しています。それらはいったん横に置き、まずは「自分にできること」に専念しましょう。そうするうちに事態が変化するかもしれません。


自分と誰かを比較していないか?

比較は生来の欲求ですが、自己否定の気持ちが強くなりすぎるのは心理的視野が狭まっている証拠。そんな時は、大切な人に声をかけるように自分自身に声をかけましょう。「比較するとダメなところが目についてすごく落ち込むよね」「それって、もっと向上したいって思ってるからこそだと思うよ」「一生懸命頑張ってること、ちゃんと知ってるよ」「結果が思うように出なくて、悔しいよね」…他人にはそう言えるのに自分には言いにくいと感じる人は、自分に対して必要以上に厳しいのかもしれません。他人を慈しむように、自分のことも慈しむ時間が持てると素敵ですね。


カウンセラー

以前カウンセリングを担当していたクライアントさんから、「比較三原則」という言葉を教えてもらいました。比較三原則とは「ゆるキャラ」や「マイブーム」といった言葉の生みの親である みうらじゅん氏の造語で、他人と、過去の自分と、、この3つと自分を比較してはいけない、というもの。その方は仕事や私生活のストレスから鬱状態となりカウンセリングにいらしていましたが、TVでみうら氏の「最後の講義」という番組を観て「優秀な同僚や過去の自分と、今の自分を比較して余計に落ち込んでいた」と気付いたそう。そこからの回復は非常に早く、数回のセッションで終了となりました。

以来、私も気持ちがネガティブに傾きすぎないよう、比較三原則を意識しています。

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